青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

眼差し

 


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窓明りの下
見事に誰も平等に 白の上に散りばめられた彼等は
氷漬けだがしかし 幸せだと言う
今が最も幸せだと言う

 

このまま白が解け

水浸しの茶に同化するのは明日かも知れず
このままこの身に新たな美しい白が
羽のように重なり
朝にはこの身が見えなくなるかも知れず
色の存在を記憶された今こそ
おかあさんに記憶された今こそ最も
幸せなのだと彼等は言う

 

我がの身が明日に
地と同化するのだとしても
我がの身が明日にまた
白に埋もれるのだとしても
おかあさんの眼差しとともにそうなるのであれば
今のいま
幸せであるのだと
彼等はクチヲ揃えて言う

 

月明かりではなく

電気の明かりの下におりて

 

゜.*

ある二日

 

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『 ある 二日』

 

深い夜は良いです

なぜなら、ただただストーブの火の
ボボボボッ という 冬の音や
こちらの耳から あちらの耳に

細く白くなめらかな糸を通すような
何重にもなっている何かの音
まるで絹糸のヴァイオリンが奏でるような

ところで午後8時頃から
私の右耳は、音が二重に聞こえるようになりました

 

・ ☆ ゜.* 。゜* .・

 

昨夜
音が二重に聞こえるようになり

聞こえるすべての音が
反響する長いトンネルのなかに
いるように
大きく、異質に聞こえていましたが

今朝には平常にもどっていました

娘のかわいい声は二羽の雀のお喋りに
夫の 驚いた声は 天変地異のはじまりのように響いていたので

平常耳に戻って安堵です

 

 


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・。*

新たな意識で 2018


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    2018年です☆゜

 

    娘っこは、もうじき10歳になります。

  わたしは、48歳になりました。

  不思議です。

  48歳になった わたしの中身は、38歳の頃の私とちっとも変わりません。

  33歳のころの私とも、28歳のころの私とも

  かわりません。

(中のひとは かわらないままだ)

 

    23歳のあの暗い青色のときの私とも

  かわらず、のままです。

 

    まだ父母が健在だからでしょうか

  だからまだ、変わらないんでしょうか。

 

    体にはっきりと老いを突きつけられていないから、まだ変わらないんでしょうか。

 

    このままだと、

  中身は永遠に変わらないでいることになる。

 

    このままだと、

  年をとるとは

  「なんだかやたらと遠くへ来てしまったなぁ」

  と、そういう感じなものになるということに。

 

    わたしの中身は、迷える子ども、のままで

  決断して決断を取り消す子どものままで

  決断らしい決断をせずに勢い走りだし悔やむ子どものままで

  何かまだ、未来に希望と時間があると、わざわざ考えないがそう認めている子どものまま

 

なのです。

 

    わたしの時間はもしかしたら、明日おわるかもしれないので

  悔い のこさぬよう

  暮らすのだぞ、と、意識するように、と

  2018年を  はじめました。

 

    やろう   やろう  描こう  

    とにかく、やろう

 

 

  
       

  #happybirthday

  #誕生日  #48yearsold



 

      
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庭にあるいつもの水溜まりが

空想の異世界の鍵盤楽器

という朝

 

最初の指先とは別の指先で
またその指先とは別の指先でとんとんと
優しくやさしく触れてゆくと
蒼白い小さな音をたてて
楽器は 一瞬で薄い膜になった

 

息が白く 空は青白く

空気はオブラートの氷のようだが
思考の隅に微かな異音

 

とまどいは気のせいだと
白く 青白く 境界なく広がっている
極細粒のつめたい空気を鼻から吸い込み
異音を凍らせ固めて
液体にして うんと呑み込んだ

 

氷はいつまでも青白く
息はいつまでも白く だれのものも純粋でありますように

 

『 息 』

 

 

°・*.゜

 

 

兆し


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あれから 季節がひとつかわる頃だが
わたしはまだ 神様のはなしをしている

 

季節がかわる笛のことを
知っているだろうか

 

毎年 あそこの空を南に向かってゆく
氷河色の御三方のことは
知っているだろうか

 

今年はまだ
この辺りに到着していないが
そのときには
気高い風に あなたも気づくのでしょう

 

 

゜.*