青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

2015-02-21から1日間の記事一覧

爪先立ちの 今

もういませんよここには 先ほど、わたしが爪先立ちしたところ 勝手にながれてゆきました 昨日は 昨日はもういないのです ここには けれど 明日はですね 今日がわたしの足の下にあるので やって来れはしないんです 今日が昨日になり 爪先立ちをして流れ出る瞬…

観 察

観察すれば 魂 の在り処を 魂の なかみを 魂の形 を それは 書物でもなく 写真アルバムでもなく ただ発光する火花だと わかる だろう ・。*

Influenza

こういうわたしの日は 小人妖精と歩くことにいたします ときどき目配せ ときどきひらめき ときどき 咳ばらい カフェ いれたての 赤味ある ま黒な珈琲を口から喉へ 私の中身がぜんぶ 珈琲のふわふわにダイブ 小人もダイブ ・*。 Copyright © 2015 Mihoko Yok…

ことづて

きょうはこの わたしのとっときの箱のなかから 空色に近づいた青銅の色の玉をとりだして 高くかかげて見せましょう なにごとも 根詰める は よくないもの なにごとも 決めすぎ ず ほかのものや すこし横に跳ねてみる 隙間を 持って 。・*

22度

夢を見た。 故郷に暮らす父と母と妹が誕生日の贈り物を送ってくれた。 それは青から白へのグラデーションで 夜空と夜明けに向かう街を表した厚手のセーターとカーディガンのセットと 小さな小さな冷蔵庫。 私は3人に風呂を沸かしています。22度の。 そのと…

十字路

白い十字路にかぞえきれない人生 頬を真っ赤にひからせた坊の横顔と 葉笛をくわえた さすらいの大獅子先生の流し目 猫のこ 子猫 みんな真っ白いのに 坊の頬が赤く 大獅子先生の鬣は金色で 猫のこ子猫の紅潮した鼻先に色を見る 真白は芸術だよ ・*。 Copyrig…

合 図

深く 深く沈み込むような どこまでも染み込み浮かびあがりはしないような赤味ある紫に 見開いた目を通り越し内宇宙に到達するロイヤルブルーの重なりを見ていました どうやら どうやら とうとう その時なようです 果たして 掻き分けた先に光は ・*。

一月の梅

川からの冷風のためでしょうか 梅も桜も 時を同じに花をつけるわけです 梅は一月の めずらしい雪をかむって 咲かせた花を震えさせると こちらに嫁ぐまでは思ってましたが うちから道をまっすぐのんびり歩いた辺りの梅は きっと寂しがりやです ・*