青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

写真詩

王女の 内なる決心

街も川も山も野も 土も木の葉も足音も 息も手袋も猫の鳴き声も 窓も睫毛も涙も声も すべてすべて凍ったのです あなたに 青くなければ見えてはこない この氷の国の 氷のうえに刻まれた言語が 読み解けますか ・.゜* (このブログで使用している画像(写真)は…

願うもののための

旅をするわたしたちの 吐く息の1つひとつは 青い鳥をさがす兄妹が 道すがらにおとして歩く ちいさなパンくずのように 落ちた傍から 言いたくて 喋りたくて 振り返ってうなずいて欲しくて すべてを手離したわたしたちの 想いのカタチをつくり 道しるべに 最…

『青褐色の雪』

クチに入ってはいけない色があると 若い頃に誰からか聞いたのを 思い出した それは 嘗めてはいけない雪があるのだと 我が子に話す私から 聞いたのだったろうか 『青褐色の雪』 ー あおかちいろのゆき ゜.*

始まり

私の身体の前面に 鏡があると気づいた日 私の内側には色んな世界がある あたかもそんな様に見える鏡で だけどもある時 水溜まりもやはり鏡だと気づいた途端に 堪らず私は前面の鏡をひっぺがし ようやく真っ暗がりのからっぽの 渦巻く穴を見つめて その穴に腰…

『 ■■■ ■■ 』

真っ黒な 漆黒の空も 真っ黒な 漆黒の海も どちらも どんなにそれが黒いのか ほんとうに知っている人はなかなかいないのですから ほんとうに知っている人は それが実のところ 黒くはないことを知っている のだろうと 私は想うのです 雨に濡れた駐車場のアス…

9 . 27 (2017)

忌まわしい過去の記憶は 植物たちに覆われた大地で眠る 私達は思い出さなくては 植物に埋もれたその過去は 人類の間違いだと 私達は 地球を再生できるはず 地球は誰かだけのものではないはず 。° *.・ ゜

ひとひとり

顔の筋肉ひとつ動かしてはおらずだからどこも耐えてはおらず目も瞼も素直にそこに居(お)るというのに いうのに 開いているだけの瞼の奥から知らずのうちに涙がツゥーとツゥーと流れていると気付き それは 衝撃や混乱や悲しみや絶望に囲まれている今だけども …

不思議

どうしてこの時期に火の点いたストーブの前に立っている11月の夜にどうして夏の向こうの空に大いに盛り上がる入道雲が見えるのかあれは熊野の海の広い空に積まれた入道雲なのかそれとも海も山も見えない東京の建物の遠く向こうに見えていたものなのか 歌集を…

後悔

生きるって 生まれてきて 生きて 死ぬ 老いる、 何もできないようになるほど 老いる そして死ぬ、 それが 先にかならず在るのに 何の希望が しかし唯一の希望はやはり 終わりのその時 6時限目の終わりのような ・。*

春 霞

春が見えてきた雪と氷から水の音が鳴り出した 高校を卒業した30年前の春に紀伊半島の田舎から上京した私は東京の春というのは粒子が荒く見通しがよくないのだなぁと思ったのですけどどこまでが空でどこからが此処なのかがわからない東京の空気は目に見えるの…

ある二日

『 ある 二日』 深い夜は良いです なぜなら、ただただストーブの火のボボボボッ という 冬の音やこちらの耳から あちらの耳に 細く白くなめらかな糸を通すような何重にもなっている何かの音まるで絹糸のヴァイオリンが奏でるような ところで午後8時頃から私…

庭にあるいつもの水溜まりが 空想の異世界の鍵盤楽器 という朝 最初の指先とは別の指先でまたその指先とは別の指先でとんとんと優しくやさしく触れてゆくと蒼白い小さな音をたてて楽器は 一瞬で薄い膜になった 息が白く 空は青白く 空気はオブラートの氷のよ…

兆し

あれから 季節がひとつかわる頃だがわたしはまだ 神様のはなしをしている 季節がかわる笛のことを知っているだろうか 毎年 あそこの空を南に向かってゆく氷河色の御三方のことは知っているだろうか 今年はまだこの辺りに到着していないがそのときには気高い…

純粋な祈り

神は いないと考えるとき 神は いないのだとおもう時 わたしは もしも神がいるのであればもしも いるのであれば どうぞ神よ 神よ どうぞ あなたが健やかでしあわせでありますように と 祈るのです ただただ 恩恵を受けるための願いを むける相手がいないのだ…

そうでなければ

力とは 何だろうか 人の持つ 力とは何だろうか ちからは 私たちを救うのかまっすぐに見る 私たちの頬を張るのか 力を得て変わるものがあるとき その力が愛とは無関係であったなら 一体 力とは何なのだろうか 優しさと無関係であったなら 一体 力とは何だろう…

底の話し

抑圧されつづける仮面たちはそれは実は仮面ではなく 真実の顔面だと言うが いつの間にか真実の顔面は仮面に乗っ取られ深く抑圧されさらにそれにさえ気づかない 真実の顔面の思考も声も 深い抑圧された底にあってはもうどこにも救いあげられない いま気づかな…

解放

思ったことの半分も言えんようではあかんで と 言われた18のとき 我が娘の旅立ちに言ったその言葉を 同じ誰かの大切な娘である じぶんの妻に どうして当てはめてあげなかったのだろうか と 私の内側がザワザワしていた それは、思ったことの半分以上を言える…

秋の青

Autumn's blue 影が、時に青い色を含んでいることに気づいた日 のばした手の、甲や指がいつも美しくなめらかだったのはいつの頃の記憶だろうか 多くの経験と、または何もせずに座り続けたさらに多くの時間 人生 人生の表れた手の甲が、美しく尊いというのは…

優しい溜息

優しい ため息 Gentle sigh 夜の呟く声が すすり泣きのようで 雨音のようで母の小言のようで風をきって走ったあの日の 風の足音のようでデッサンする鉛筆の音のようで痒くて痒くて仕方なくて腕に傷をつける爪のようで 気づいたら 新聞の一枚をめくる音のよう…

焼ける風

いつかいつかと言っていたら 知ってた人の皆の姿はなくなった 窓辺で風におされて揺れる バニラ色したカーティンは いったいいつの記憶なのかと 度々考えていたら 姿がなくなった知ってた人たちと合流した 焼ける匂いのする 蝉が唱いはじめる頃 °.*

水 の場所

青碧のドレス陶器のようなすべらかな肌にパールの粉が時折り微かに光を反射させる 草葉の水滴に 丸みのある鳴き声とともにカッコウが限りなく転写されてゆく森のその濡れる葉を踏みしめるたびに彼女の足もとから解放される水滴の中のカッコウの影 ゚ . * * …

Satijn

青いサテンの上で 漂い移り変わる光とその影に 次第に気配を強める 記憶が抱え込んでいる湿度 変容した光を逃がさないこの青い布地に 人生のなかのどこを探しても見あたらない記憶をみている 彼女が生きた青いサテンに .゜* ゜.*

叶えられた願い

たしかに空は 切り取られてる 空の断面は それはたしかにあるのだろうね 枯れ葉になるまえに 青い空とひとつになりたい とねがったから 土に ちいさな空の世界が 青い枯れ葉になりたい わたしも ・。*

そこ

あなたが 爪を噛むのをやめないから わたしはいつまでもここにいる ようこそ ・。*

かくされた森

「ずっと、子どものころから、子どもはすきじゃなかったし にがてだったし、おとなもすきじゃなかったし わたしもすきじゃなかったし このせかいも すきじゃなかったし どうしようもない 」 森のなかに夜があるのか それとも夜のなかに (どんなに生まれかわ…

つめたい足先

膝を かかえる おめでとう と言う ゴメンね と言う おめでとう と言う 膝をかかえていた腕をほどいて 足先をさする つめたいから 足先を握る ありがとう と言う 握っている手をひらくと足先に つめたい風が入ってくる ・。* ・。*

永 遠

砂糖菓子のように脆くこわれやすく にもかかわらず 氷砂糖のように 眼の端を つめたく光らせ 見えない線で突き放す あの娘だけの話ではなく どんなに幼くとも女性というのは ・。*

私であるもの

あらゆるものが自分だ と思う それは 音も聴こえないような小さな水滴 地面に揺れる枯れ草の塊 片付けられずに横たわるシャベル 道端で出くわす虫 炎とともに溶けて消えた蝋燭 けれど 風よりもさらに 私だ と思うものはないようです ・。* ゚・*

救う道

救う夜の道は 乾いて 洞窟の向こう側の明かりは 向こう側ではなく ここ に今 存在して 洞窟の夜に響く精霊の声を さらに明らかに聴き受けようと振り返れば こちらを見ているじぶんと鼻先で向かい合う 正面に立つ 微かに青みを帯びたその じぶんの中を通り抜…

Release

鳥が見える頃 ライムの日差しの日 ようやく鳥が見えるようになったと ソーダ水のそそがれたグラスの内がわに 弾けるためにのぼる泡の 一つひとつに鳥を見る のぼって弾けて 鳥が 鳥が鳥が鳥が 羽ばたく ・。* ・。*