青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

写真詩

しあわせの午後

そうやのぉ そうやのし 風が言葉を返してくれた午後の 湿りはじめた土を含む匂いが 小学生の 熊野のわたしへ繋いでくれた ただそのときそのときを とにかく過ごすことで 何かに あきらめていたわたしへ いなくなった 大好きな人々そうでない人々 熊野で生き…

雲中にあらわれたるは

おわかり いただけましたでしょう 雲中にあらわれたるは 『忍法使いのさすらいの白猫と あやかしの浄霊をする坊主』の図 まるで敵対するような構図であるが、実のところはこの坊主 忍法使い白猫がまとう、人間界における仮の姿。 さてさて ・。+ 忍法使いの…

その青とは祈りだろうか

ここからもうすこし この草はらをくだっていったあたりにある 葦の群生の水場で 深い青の光の反射を見たのです ちかくに寄ってもなにも探せはしなかったというのに それはやはり 深い青で光を反射しているのです 葦の群生する水場で ・。* かなしみや喜びや…

夢の小瓶

薔薇の 輝く色のときを終えたら ますます妖精たちの光が盛んになり 周りは 豊富な 満ちるエネルギーが行き来するように そのときに こっそり薔薇の 傍により 小さな小瓶に 光のちりばめられた気体をすくい入れ 妖精の次元の秘密の夢を見る ・。* ・。* Copy…

GreenMan

わたしがだいじにしているものすべてを 両手でかき集めて 両腕でかこんだところの 光景は それは GreenManと呼ぶしかないぐらいだった わたしが足をくじいた春の日に あの無花果の葉の繁る 門のところまで 一歩分すこしだけ後ろで並走してくれた GreenMan と…

風 ノ 記憶

存在しない庭で 走り踊る夢をみる 存在しない庭を 走り踊るわたしの輝く横顔を 存在しない私が 風のふりをして見つめる 存在しない庭の 存在しない思い出と 存在するはずのない懐かしい記憶が 風である私を強く押し上げる ・。* ・。* Copyright © 2015 Mi…

生命のつながりは繋がっているか

なにもすべての虫を救うなんて おもってないのです 無視できないような虫たちの出現 を ただ 見過ごさないというだけなのです 個人的な出会いなのです 自然に手をだすな、とか、生態系を、というコトバは 通用しませんよ、もう ・。* あなたが殺虫剤で ただ…

毛虫の使命

今日も毛虫を一匹すくいました 私の真正面から その毛虫はものすごく一生懸命あるいてきて このまま歩きつづけても灰色のままですよ と声をかけて 毛虫を手にのせて近くの草むらに放し ツンツンと背中を軽くさすると草深くにもぐって行きました ・。* .・。…

そのときの色

不思議と 走ってゆきたい場所にはたくさんの色は なかった きえる って そういうことかも知れない ・。* Copyright © 2015 Mihoko Yokojima

後ろの正面

あなたが その 壁にかかっている絵画を見るために 絵画に背を向けて座っている緑の椅子からいま立ちあがり 戸惑いつつも振り返り 後ろの正面を見るとき 微かな気配で泳ぎ 視界から消え行くものを逃がす手はない 何故ならそれは 夢の尻尾だからだ ・。* Copy…

妖精・精霊・詩 - 3つの詩篇

夏の妖精 ペルセポーネが戻って来られたそのすぐ後の 初夏の園生に まるで火の粉のように踊り立ちのぼる 夏の妖精たちを見る ・。* ・。* 空間の影の妖精 コズミックペールブルーの矢印は 合図であったのです 葉の陰に隠れるように見える碧の髪の持ち主は …

空 (ku)

夢 の心地とは そういうものですよ 問題の 影さえも虹色なのです ・。* ・。*

ないもの

見え隠れする 黒猫の ・。*

風のなかで

風 の 糸 の 軌 跡 を ど の よ う に 伝 え る か 光をからめた糸を見る前に 綿毛や細かな花びらが散って教えてくれるのを それを 小さな心と感覚でつかむのを ありがとう と ゆっくり待とうか 一緒の風のなかで ・。* ・。* Copyright © 2015 Mihoko Yok…

巡 礼

ほんとう とはいったい なんだろうか ほんとうはずっと考えていたのに まるで今 ふと思いついたように口にしてみて それで いったいその ほんとうというものは どれぐらいあるのかと 思いを糸で繋いで飛ばしてみたら どこにも行かなかった ・。* Copyright …

そこに私はいたか

記憶だろうか 幻想だろうか 走るのだ 土を踏んで土を蹴って 緑を分けて緑をちぎって 走るのだ 顎を引き歯でくいしばって 顎を上げ空から風を皮膚にすべらして 走るのだ いつの記憶 幻想か 望みか 再会か 過去に見せかけた 今か 草の青い中を 全力で走る こど…

今 にある記憶

濃い碧の匂いを心待ちにしていることを知れ 纏わり付き絡み付き 足を高くあげて地から跳ね上げるごとにちぎれ飛ぶ 碧の濃い匂い 走れ 風を受けろ 飛び上がれ 音をたてろ 腕を振れ 走れ 走れ走れ 走れ 土と潮の混じる 風の記憶の中を走れ ! ・。*

ほんとうのこと

こんなように なっている 夢は夢でなく 現実が夢かもしれないと気づくのは 彼らの存在のためかもしれず こんにちは ありがとう ・。* 精霊の写真・。* 右下あたりの花びらを、髭のようにしている 黄土色の毛むくじゃらの少し年配の男性のような顔 眉と目と…

本 音

ときどき 隠れたところはあったかいから だから ときどき 陰ってひつようだなぁって 思ったりする 光ばかりの 陰のない絵を描き続けるのが つらくなってしまったのかも知れない 陰の美しさを知ってるのだもの 光の美しさもしっているのだもの すべては言わな…

ゆれる青

風が通る 陽射しと影の隙間を 揺れる青みの匂いも後を追う 影の濃さをもとめて 山の匂いと潮の匂いの隙間の田の畦を 小屋で待つ兎の食べる 草をもとめて全力で走る 母が切った髪をちぎれるほど揺らして 抱えた草のたくさんの青い匂いがわたしの後を追う ・。…

りゆう

とべよ とべよ というのです この日の つよおい風でないと ゆけないところがあるのです ほんとうは いつでもゆけるはずですが こころの こころの中はじゆうなのだから いつでもゆけるはずですが つよおい風のりゆうで せなかおされて それで ようやっと ・。…

女神の歌

・。* 女神が光を流しながら飛ぶ姿に、見えますか? (わたしとしては、そのようにしか見えないのですが・・・) 昨年末に制作したものです。年賀状にもしました。 Copyright © 2015 Mihoko Yokojima

戸棚で寝ている乾燥花の夢

なんのことはない などという時はない どのような時にもまるで 弦楽器 奏でる曲線の美が流れている 髪を耳にかけるときのように流れ 花びらが舞い上がり喜ぶ時のように廻り 意思を持ったかのような蔓が深夜に月を見上げ 風の流線をあらわにする 光の粒を教え…

幻想の技術 (生きてゆく私への抱擁)

ワイングラスが高らかにあたる音 乾杯の 賑やかなざわめき 笑いとお喋りの仮面の 髪を緩やかに結った 苔緑色のクラシカルなドレスのご婦人が奏でる ピアノの 壁さえ話を華やかにする 対の白鯨の絵画の 時代が混在する空間 切り取られた一枚の ・。* Copyrig…

小鳥の夢 兎の夢 モアイの夢

風に Magenta の光が混じる頃 夢の小鳥は聞くのです 深く大地に根差して立つ堂々とした姿に憧れて 夢の兎は聞くのです 高い目線で遠くを見渡す未知を知る姿に憧れて 彼が精霊なのだと 知ってか知らずか ・。* Copyright © 2015 Mihoko Yokojima

約束が隠れる庭 (時間の後ろ)

約束のとおり 混ぜ込まれた (甘味が凝縮した乾燥果物の破片)のために 苦味がより際立つ 香り高いチョコレートが 溶けて喉を流れるとき 幻想にともなう影の 稀なる美が それもまた妖精が司る「見えざる庭」より立ち上っていることを 伝えます 隠された( 約…

地球はあなたの夢である

私たちの生きる地球が もしか誰かの眼球であったなら どうか 大きな瞼は神の意思であったなら どうか 時に神の涙が私たちの地球をあふれされたらどうなのか 夢は夢でなく 夢でないものが夢であるなら 神の瞬きとは 個人の神話であり夢日記だ ・。* Copyrigh…

『 卵 』

温まる季節の象徴である 4大元素 水の世界からの合図 たいせつに 高みにて護られる巣の中の卵 氷の次元の存在は去り際に 散在する 鋭いアイスの光とメッセージを 吐き出し大いに散りばめたときと同様の勢いで 吸い取り 自然界で昇華できるだけの光を極僅か…

つなぐ

生を終えたものと 始まったものの 共存 相互作用 世代を繋ぐ輪 美 ・。*

Turquoise -Ⅰ

ターコイズ Turquoise の色の爪をもつ娘は その1本の指の先の爪色が 何の印しなのか 何を示しているのかを 知りたいとは思っていなかった やけに気温が上がり 小さな花たちが開き大きく見えた あの春の日の 夕暮れまでは 音楽が 聴こえてきたのです あすこ…