青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

奥行きの空間

始まり

私の身体の前面に 鏡があると気づいた日 私の内側には色んな世界がある あたかもそんな様に見える鏡で だけどもある時 水溜まりもやはり鏡だと気づいた途端に 堪らず私は前面の鏡をひっぺがし ようやく真っ暗がりのからっぽの 渦巻く穴を見つめて その穴に腰…

「モモ」37年前と今

娘の小学校で毎年実施されている「親子ふれあい読書週間(一週間)」 今年のが、今日で終わりましたよ 読む本は各家庭で決めます。 今回は エンデの「モモ」にしました。 しかも1988年版なので、以前の言葉使いのままで、 娘には説明が必要な箇所が、そこそこ…

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真っ黒な 漆黒の空も 真っ黒な 漆黒の海も どちらも どんなにそれが黒いのか ほんとうに知っている人はなかなかいないのですから ほんとうに知っている人は それが実のところ 黒くはないことを知っている のだろうと 私は想うのです 雨に濡れた駐車場のアス…

奥行きという存在

すべて なにもかもぜんぶが ひかりであかるくみえていることに つかれたりもして あまりよくみえないっていうのも あっていいよなぁと 奥ゆきの影の感触と湿度と 見えない領域はひつようだよ 光と影との境い目 陰の縁 明るみの物質の縁は 陰の縁 奥行きにと…

水 の場所

青碧のドレス陶器のようなすべらかな肌にパールの粉が時折り微かに光を反射させる 草葉の水滴に 丸みのある鳴き声とともにカッコウが限りなく転写されてゆく森のその濡れる葉を踏みしめるたびに彼女の足もとから解放される水滴の中のカッコウの影 ゚ . * * …

救う道

救う夜の道は 乾いて 洞窟の向こう側の明かりは 向こう側ではなく ここ に今 存在して 洞窟の夜に響く精霊の声を さらに明らかに聴き受けようと振り返れば こちらを見ているじぶんと鼻先で向かい合う 正面に立つ 微かに青みを帯びたその じぶんの中を通り抜…

薔薇の見かた

薔薇の花びらの縁 奥行きとの境 その奥行きにつながる 曲線 Edge of the petal of the rose. Boundary with the depth. The curve. ・。* ・。*