『語りかけるか語らない 青いインク壺』
青いインク入りの インク壺のこと
まだ子どもだった当時
家に父親のものであるガラス製のインク壺があり
青いインクが入っていた
ペンもペン先もいくつかあった
私は それになぜか強く惹かれ よくひとり
白い紙に文字を書いていた
私はその 青いインクで
ペンで ペン先で
何かを書きたかったのだろうと思う
まだ自分にも 何もわからず
書きたいものも 書いてどうしたいのかも わからずただ
思いだそうとしていたのだろう
青いインクで
私ではない私が書いていたものを
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Copyright © 2015 Mihoko Yokojima