青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

かくされた森

 

 

 


    「ずっと、子どものころから、子どもはすきじゃなかったし 
   にがてだったし、おとなもすきじゃなかったし わたしもすきじゃなかったし
    このせかいも すきじゃなかったし どうしようもない 」

 

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    森のなかに夜があるのか それとも夜のなかに

  (どんなに生まれかわろうと すべての時の すべての切なさは まるで
   それが初めてのことのように やはり切ないのだろうね)

 

  あの森を サガシテイルのです

  いちばん大きく輝く星

  だと信じていますが あれはあちらこちらに自由に移動する不思議な光で

  

  それで そのちょうど真下で

  暗い所は深い青暗さで

  踏み締めるたびに 生き物の生きている匂いと死んだ匂いがする森を

   

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  森のなかは童話や絵本みたいには優しくない

  と その大きく輝く星はしかたないというように

  森のなかを微かに照らしてくれていて

  なにがどうだろうとあきらめてはならない世界と あきらめてもただ朽ちるだけで

  なににも責められない世界のことを わたしは知ったのです 

  

  

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  わたしは森のなかで まるで夢のような 出会い と遭遇し

  ほんの僅かな時間でしたがそれが現実であったことに喜び

  それがどうにもならない現実であることに落胆し ようやく

  あきらめて朽ちることをえらんだのです

    

  森のなかに

  いっ時の抱擁を遺し 永遠に 

 

 

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      永遠に

 

 

 

 

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・。*