青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

2015-02-24から1日間の記事一覧

『語りかけるか語らない 青いインク壺』

青いインク入りの インク壺のこと まだ子どもだった当時 家に父親のものであるガラス製のインク壺があり 青いインクが入っていた ペンもペン先もいくつかあった 私は それになぜか強く惹かれ よくひとり 白い紙に文字を書いていた 私はその 青いインクで ペ…

手 紙

私ったら どうしようもないわね なんて ゆわないで あなたが小さな あの虫を救ったとき あなたが人知れず 大きな柔らかいものの世界に立っていたこと それを見ていた誰かがそっと微笑んだこと 私は知っている それでじゅうぶん ~ あなた より ・。*

珈 琲

お気に入りは ブルボン種の珈琲で いつもの定番 酸味と ほど好いこくと 飽きのこない奥行き この前の日の休日に、何となく別の豆を買い求めた めずらしく ブレンド 「ウインター ブレンド」 あまり期待もせずに淹れてみたが とても美味しかった ・。*

 息

あなたの吐く 空に向かう朝のシトラスの息も 私の午後2時の その運命を受け入れ全うした枯葉への温かい想いを含んだ吐息も おんなじようであるのに 私の吐息はどうして微かにBitter あなたの息のシトラスが甘いのはなぜ ・。*

 オード・シエル

アニック・グタール オードシエル 香り立つ ネロリのような 細かく微かな 明るい黄の光の粒子が舞い 風のかたちを見せてくれる 甘さの横顔のほんの少し前に お日様の暖かさを吸収した藁に飛び込む柔らかさ そして しっとりとした 女のときへ ・。*

在 る

この向こうに 在るもの しかしよく理解できます この向こうに在る 本質の輝き 愛と そして英知を “香しい” 魅惑の闇の絵画で 隠しておいて 隠したことをわすれ 在る ことを否定するのかを 香ばしいナッツ 芳醇な洋酒 クランベリーの酸味 こっくりとしたチョ…

風がはこんでいる言葉があるのを知ったのは 風を構成している絹糸のようなまたは 滝を落ちてさらに行く 勢いある水流のようなすじに 細かな光の粒子が規則性なく纏わり付いてゆくのを見たときでした 人差し指を風に絡ませるといいですよ ・。* Copyright © …

 なみだ Cafe

ずいぶんと以前にですけども ありましたね なみだの真ん中で夜を明かし コーヒーカップ61杯の 涙で じぶんをぐるっとかこんで朝をむかえて もう今はそれは記憶です 記憶だからとて まろやかとはかぎりませんが ・。*

 痛 み

温まりたいときは どうすればよいのだったかしら 背中がつめたいの 手のさきのほうがどうしても ところで あったかかったときなんてほんとうにあったのかしら 思い出せないわ いえ もう 思い出さないわ 痛みがさきに見えてしまうから ・。*

青の十字架

私に 青い十字架をください どうか青い十字架を 胸にそっとのせてください 私の胸に 十字架に吸収されゆく 内側の底蓋の下に降り積もり沈澱した 悲しみと少女の 声にならぬ声が溶けゆきますから 私に 青いインクのペンをください ・。*

 『氷の精霊』 

彼女のくちから 氷の息とともに 凍るほどに冷たいのに 甘い歌(詩)が ながれ 冬のエネルギーを上昇させているのを知ります その時です 『冬の 妖精・精霊・詩』(2014.12/05)