そこに私はいたか
記憶だろうか 幻想だろうか
走るのだ
土を踏んで土を蹴って
緑を分けて緑をちぎって
走るのだ
顎を引き歯でくいしばって
顎を上げ空から風を皮膚にすべらして 走るのだ
いつの記憶
幻想か
望みか 再会か 過去に見せかけた 今か
草の青い中を
全力で走る こどもの私のイメージが
ずっと私を離さないでいて
私のイメージの空間が
内側の世界から増幅してそれは現在において進行中
風がイメージの中(記憶なのか想像なのか幻想なのか)の
私の髪を通り抜けて
ザッ という 強い圧とともに上昇する
草の青い匂いも巻き上げる
・。* .
Copyright © 2015 Mihoko Yokojima