青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

 

      
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庭にあるいつもの水溜まりが

空想の異世界の鍵盤楽器

という朝

 

最初の指先とは別の指先で
またその指先とは別の指先でとんとんと
優しくやさしく触れてゆくと
蒼白い小さな音をたてて
楽器は 一瞬で薄い膜になった

 

息が白く 空は青白く

空気はオブラートの氷のようだが
思考の隅に微かな異音

 

とまどいは気のせいだと
白く 青白く 境界なく広がっている
極細粒のつめたい空気を鼻から吸い込み
異音を凍らせ固めて
液体にして うんと呑み込んだ

 

氷はいつまでも青白く
息はいつまでも白く だれのものも純粋でありますように

 

『 息 』

 

 

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