青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

2015-02-26から1日間の記事一覧

我がまま

唇に そっと小指を添わせ ミルクの中でラズベリーをつぶしたような色合いの口紅をひく ほんとうは似合わないのかもしれない だけどわたしの顔が パッと 好きな人を見かけたときのように明るくなるから いいの それで ・。*

私を救ったもの

人は 良い思いをもつ他の誰かに ふれられることを必要としている それだけど 年を重ねるにつれ誰かにふれられることが減ってゆく 年に一度会う 母方の祖母の手の 甲をさすったとき 言わずも祖母の体の周りを 喜びがおおっているのを私は感じた もっと たびた…

匂い とは

匂いと 記憶 の関係 香りは 認知症予防にも効果を期待されていると 以前に耳にした 猫など野生本能の動物は 風邪などで鼻が利かなくなると 食べなくなる 匂いを感じ感知する とは 脳的に身体的に精神的に感情的に 積極的に生きることか ・。*

 つづき

たとえば 花が開いていない日があったとしても たとえば それだけを目的にしてきたのだったとしても あなたの目的は 落胆し首をうなだれたその視線のたどるあたりに 潜んで用意されていることも 知っていることですよ ・。*

 落葉樹

たとえば ひとつの木に 花しかついていない ひとつの木に 実しかついていない このしばらくの期間は わたくしたちを 現実とは 夢にすぎないのか という 真実への気づきに導いてくれる 貴重な時にちがいない ・。*

  蓋 

身体が ガタガタと震え止らないでいるのに 両腕を 両肩を抱いてその震えを止め なぐさめることのできない両手 その両手は蓋をあけることならできた 両目から 頬を伝わらずに規則性なく落ち続ける水が いえ私が 両手で蓋を開け続ける 何を探して ・。* Copy…