青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

線の縁

娘はランドセルのまま 長い長い線を引く 真っすぐな道に白い石で 自転車のお爺さんは 微笑みながら行き過ぎる 別の人生の今に 瞬間の微笑みの縁を見る 雨上がりに線は流れ お婆さんが真っすぐ歩く お婆さんの歩く跡に残る 半身の潰れた毛虫 白詰草を捧げる娘…

Release

鳥が見える頃 ライムの日差しの日 ようやく鳥が見えるようになったと ソーダ水のそそがれたグラスの内がわに 弾けるためにのぼる泡の 一つひとつに鳥を見る のぼって弾けて 鳥が 鳥が鳥が鳥が 羽ばたく ・。* ・。*

好みの傾向(4曲 )

今から、26年前の私が19歳のころ。 新宿駅南口、甲州街道を渋谷方面に少し向かい 代々木方面に入ったあたりのビルの地下1階。 昼間はJazz喫茶、夜はJazzBarをしている店があり そこで夕方から終電前まで、バイトをしていました。 そのころ…

赤とともに

この時期に完成させるものはどれも 夕立や 嵐や稲妻や雨上がりの湿度や 強風で揺さぶられる草木や 極端な高速度で流れてゆく雲や 突然の雹や虹や冷たい風のようになっていて とても 穏やかな光やあたたかい愛や芳香には ほど遠い 私の内側の 白紙が目立つ書…

薔薇の見かた

薔薇の花びらの縁 奥行きとの境 その奥行きにつながる 曲線 Edge of the petal of the rose. Boundary with the depth. The curve. ・。* ・。*

『 いそしぎ 』

私がまだ小学生のころ(1970年代) 私の家にはレコードが沢山ありました。足つきの木製のステレオも ありました。 レコードはLP盤も、赤い半透明のビニール盤もありました。 ほとんどが映画音楽で、少しがブルースなどでした。 レコードが高くてあまり頻繁…

神はいない

神はいない と想うとき 湧き出でるのは いない神への 神よ あなたがどうか幸せでありますように という ただ その祈りだけでした 神はいない と想うときの神への祈りほど 純粋な神への思いはないようで 当然のことでありますが ・。* ※シモーヌ・ヴェーユの…

しあわせの午後

そうやのぉ そうやのし 風が言葉を返してくれた午後の 湿りはじめた土を含む匂いが 小学生の 熊野のわたしへ繋いでくれた ただそのときそのときを とにかく過ごすことで 何かに あきらめていたわたしへ いなくなった 大好きな人々そうでない人々 熊野で生き…

雲中にあらわれたるは

おわかり いただけましたでしょう 雲中にあらわれたるは 『忍法使いのさすらいの白猫と あやかしの浄霊をする坊主』の図 まるで敵対するような構図であるが、実のところはこの坊主 忍法使い白猫がまとう、人間界における仮の姿。 さてさて ・。+ 忍法使いの…

その青とは祈りだろうか

ここからもうすこし この草はらをくだっていったあたりにある 葦の群生の水場で 深い青の光の反射を見たのです ちかくに寄ってもなにも探せはしなかったというのに それはやはり 深い青で光を反射しているのです 葦の群生する水場で ・。* かなしみや喜びや…

夢の小瓶

薔薇の 輝く色のときを終えたら ますます妖精たちの光が盛んになり 周りは 豊富な 満ちるエネルギーが行き来するように そのときに こっそり薔薇の 傍により 小さな小瓶に 光のちりばめられた気体をすくい入れ 妖精の次元の秘密の夢を見る ・。* ・。* Copy…

GreenMan

わたしがだいじにしているものすべてを 両手でかき集めて 両腕でかこんだところの 光景は それは GreenManと呼ぶしかないぐらいだった わたしが足をくじいた春の日に あの無花果の葉の繁る 門のところまで 一歩分すこしだけ後ろで並走してくれた GreenMan と…

風 ノ 記憶

存在しない庭で 走り踊る夢をみる 存在しない庭を 走り踊るわたしの輝く横顔を 存在しない私が 風のふりをして見つめる 存在しない庭の 存在しない思い出と 存在するはずのない懐かしい記憶が 風である私を強く押し上げる ・。* ・。* Copyright © 2015 Mi…

生命のつながりは繋がっているか

なにもすべての虫を救うなんて おもってないのです 無視できないような虫たちの出現 を ただ 見過ごさないというだけなのです 個人的な出会いなのです 自然に手をだすな、とか、生態系を、というコトバは 通用しませんよ、もう ・。* あなたが殺虫剤で ただ…

毛虫の使命

今日も毛虫を一匹すくいました 私の真正面から その毛虫はものすごく一生懸命あるいてきて このまま歩きつづけても灰色のままですよ と声をかけて 毛虫を手にのせて近くの草むらに放し ツンツンと背中を軽くさすると草深くにもぐって行きました ・。* .・。…

そのときの色

不思議と 走ってゆきたい場所にはたくさんの色は なかった きえる って そういうことかも知れない ・。* Copyright © 2015 Mihoko Yokojima

後ろの正面

あなたが その 壁にかかっている絵画を見るために 絵画に背を向けて座っている緑の椅子からいま立ちあがり 戸惑いつつも振り返り 後ろの正面を見るとき 微かな気配で泳ぎ 視界から消え行くものを逃がす手はない 何故ならそれは 夢の尻尾だからだ ・。* Copy…

妖精・精霊・詩 - 3つの詩篇

夏の妖精 ペルセポーネが戻って来られたそのすぐ後の 初夏の園生に まるで火の粉のように踊り立ちのぼる 夏の妖精たちを見る ・。* ・。* 空間の影の妖精 コズミックペールブルーの矢印は 合図であったのです 葉の陰に隠れるように見える碧の髪の持ち主は …

空 (ku)

夢 の心地とは そういうものですよ 問題の 影さえも虹色なのです ・。* ・。*

ないもの

見え隠れする 黒猫の ・。*