青いインク壺

 日々写真詩-『妖精・精霊・詩』

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

うみのさかな

うみのさかなには なぜ うろこがあるの うみのさかなには なぜ せびれがあるの うみのさかなには なぜ おびれがあるの うみのさかなには なぜ くちがあるの さかなは しゃべらないのにくちがあるの えものをたべるため それとも いきをするため そうぞうして…

ことりとにんぎょ

小とりが木のえだでないている 川でにんぎょがおよいでいる 風で川と木のえだがゆれていた それを見ていた人が こんどはしゅじんこう その おはなしの小とりとにんぎょになる ・。* © りんごほのみ

えがおのようせい

あ!ようせい にこにこしているようせい みつけた おともだちが わたしのことばにきょとんとしている おともだちには みえないんだ でも ずっと目をそらせてもえがおだ もしかして ようせいじゃないのかもしれない でも ようせいだ ともだちにみえてないけど…

森 瑤子

私の好きな作家 20年以上前にこの世を去った 森 瑤子 20代の私も今は40半ば いくつか持っているがまた少し、彼女の作品を古書店で集めている あの頃は想像するだけの 彼女の作品から立ち上る叫びや軋み または独特のユニークを 想像ではなく受け止めら…

感 触

そこに 見ようと思わなければ見えないような 一色を見るとき わたしは なんとも言いがたいよな 香りと甘みをともなう 貴重な感触を得るのだ それは なぜか 歯触りと表現できるかもしれないが 決して噛んではいないのが 貴重であるところだ ・。*

ときどき つぶやき

古書店っていうのは ほんとうに 想像と閃きと創造に 満ちていて なにかある と感じさせられる ときどき たとえば 明るい銀色で紡がれた糸とか その引力とか ・。*

 季節の精霊

そうよ 何かを急いでいるようだったのよ あのかた はやく はやく と 冷たい 光をたくさん混ぜ込んだ 甘くて薄青の粒を そこいらじゅうの風に撒いてまわってたのよ 生き物たち 緑や花もふくめてね みんな だからざわめいているの ・。*

 旅

もしかしたら人は からだが老いたある時 年をとってしまった ではなく えらく遠くまで来てしまったものだ と思うのだろうか 老体の内には 老人は住んではいないのだし ・。*

 救 い

皿と皿がぶつかり合うような ある種の動物の悲鳴のような音が 脳内に響きわたる 突然の幕切れ わたしを トメドナイ綱渡りの迷路から救い 意図しない焦点を目の前の風景のなかの ある物質にあわせてくれる メヲサマス ヒツヨウガ アルノカ ・。*

湿 度

いつからあるのか 誰のものかわからぬ 古い時代の写真帖 袴姿で並ぶ 髪を上げ 鏡餅のように大きく結った女性たち 名前も 文字も書き込まれていない 枯葉のように乾いた写真たち 母は言った 前のめりな息で この人がそうじゃないかと思うの 母は探していた …

我がまま

唇に そっと小指を添わせ ミルクの中でラズベリーをつぶしたような色合いの口紅をひく ほんとうは似合わないのかもしれない だけどわたしの顔が パッと 好きな人を見かけたときのように明るくなるから いいの それで ・。*

私を救ったもの

人は 良い思いをもつ他の誰かに ふれられることを必要としている それだけど 年を重ねるにつれ誰かにふれられることが減ってゆく 年に一度会う 母方の祖母の手の 甲をさすったとき 言わずも祖母の体の周りを 喜びがおおっているのを私は感じた もっと たびた…

匂い とは

匂いと 記憶 の関係 香りは 認知症予防にも効果を期待されていると 以前に耳にした 猫など野生本能の動物は 風邪などで鼻が利かなくなると 食べなくなる 匂いを感じ感知する とは 脳的に身体的に精神的に感情的に 積極的に生きることか ・。*

 つづき

たとえば 花が開いていない日があったとしても たとえば それだけを目的にしてきたのだったとしても あなたの目的は 落胆し首をうなだれたその視線のたどるあたりに 潜んで用意されていることも 知っていることですよ ・。*

 落葉樹

たとえば ひとつの木に 花しかついていない ひとつの木に 実しかついていない このしばらくの期間は わたくしたちを 現実とは 夢にすぎないのか という 真実への気づきに導いてくれる 貴重な時にちがいない ・。*

  蓋 

身体が ガタガタと震え止らないでいるのに 両腕を 両肩を抱いてその震えを止め なぐさめることのできない両手 その両手は蓋をあけることならできた 両目から 頬を伝わらずに規則性なく落ち続ける水が いえ私が 両手で蓋を開け続ける 何を探して ・。* Copy…

 ローズ ヒップ

ストーブの匂い 珈琲いれたての匂い どうしたって 5分進んでしまう 掛け時計を見上げ 5分引く 木製の 経年飴色のドアを押して 勢いよく 毛糸で着込んだ体を まだ透明な青紫の中へすべらせると 辛い(カライ)んだろ という予想に反し 冷たく甘い息 ・。*

オムラームの 『 生命の言葉 365 』より

すでに地球の、オムラームとしての生を終えた方ですが オムラーム・ミカエル・アイバノフ Omraam Mikhaёl Aivanhov (1900-1986) 「哲学者で精神的世界(スピリチュアリズム)のマスター。 1937にフランスに移住、終生そこで人々に教えを説いてきた。 その教えの…

詩集 『 その人の唇を襲った火は 』

この午後は インドネシア アラビカ種のデワタコーヒー 確かに、ナッツやフルーツを混ぜ込んだチョコレートバーのような ぎっしりした満足感。 酸味苦味はちょうどバランス。 今は丁寧に読んでいるこの詩集の最初の章 “JESUS LOVES ME”のを読み終えだところで…

テニスンの 『 モード  ⅩⅩⅡ-Ⅰ』

イギリスの詩人,テニスン(Alfred Tennyson / 1809-92)の 40代半ば完成の『モードおよびその他』の中の詩篇『モード』 があります。 以前にその『モード』の中の(ⅩⅩⅡーⅠ)にまるで魔法のように 魅了されてしまいました。 それは、テニスン詩集の、では…

『語りかけるか語らない 青いインク壺』

青いインク入りの インク壺のこと まだ子どもだった当時 家に父親のものであるガラス製のインク壺があり 青いインクが入っていた ペンもペン先もいくつかあった 私は それになぜか強く惹かれ よくひとり 白い紙に文字を書いていた 私はその 青いインクで ペ…

手 紙

私ったら どうしようもないわね なんて ゆわないで あなたが小さな あの虫を救ったとき あなたが人知れず 大きな柔らかいものの世界に立っていたこと それを見ていた誰かがそっと微笑んだこと 私は知っている それでじゅうぶん ~ あなた より ・。*

珈 琲

お気に入りは ブルボン種の珈琲で いつもの定番 酸味と ほど好いこくと 飽きのこない奥行き この前の日の休日に、何となく別の豆を買い求めた めずらしく ブレンド 「ウインター ブレンド」 あまり期待もせずに淹れてみたが とても美味しかった ・。*

 息

あなたの吐く 空に向かう朝のシトラスの息も 私の午後2時の その運命を受け入れ全うした枯葉への温かい想いを含んだ吐息も おんなじようであるのに 私の吐息はどうして微かにBitter あなたの息のシトラスが甘いのはなぜ ・。*

 オード・シエル

アニック・グタール オードシエル 香り立つ ネロリのような 細かく微かな 明るい黄の光の粒子が舞い 風のかたちを見せてくれる 甘さの横顔のほんの少し前に お日様の暖かさを吸収した藁に飛び込む柔らかさ そして しっとりとした 女のときへ ・。*

在 る

この向こうに 在るもの しかしよく理解できます この向こうに在る 本質の輝き 愛と そして英知を “香しい” 魅惑の闇の絵画で 隠しておいて 隠したことをわすれ 在る ことを否定するのかを 香ばしいナッツ 芳醇な洋酒 クランベリーの酸味 こっくりとしたチョ…

風がはこんでいる言葉があるのを知ったのは 風を構成している絹糸のようなまたは 滝を落ちてさらに行く 勢いある水流のようなすじに 細かな光の粒子が規則性なく纏わり付いてゆくのを見たときでした 人差し指を風に絡ませるといいですよ ・。* Copyright © …

 なみだ Cafe

ずいぶんと以前にですけども ありましたね なみだの真ん中で夜を明かし コーヒーカップ61杯の 涙で じぶんをぐるっとかこんで朝をむかえて もう今はそれは記憶です 記憶だからとて まろやかとはかぎりませんが ・。*

 痛 み

温まりたいときは どうすればよいのだったかしら 背中がつめたいの 手のさきのほうがどうしても ところで あったかかったときなんてほんとうにあったのかしら 思い出せないわ いえ もう 思い出さないわ 痛みがさきに見えてしまうから ・。*

青の十字架

私に 青い十字架をください どうか青い十字架を 胸にそっとのせてください 私の胸に 十字架に吸収されゆく 内側の底蓋の下に降り積もり沈澱した 悲しみと少女の 声にならぬ声が溶けゆきますから 私に 青いインクのペンをください ・。*