写真詩
私に 青い十字架をください どうか青い十字架を 胸にそっとのせてください 私の胸に 十字架に吸収されゆく 内側の底蓋の下に降り積もり沈澱した 悲しみと少女の 声にならぬ声が溶けゆきますから 私に 青いインクのペンをください ・。*
彼女のくちから 氷の息とともに 凍るほどに冷たいのに 甘い歌(詩)が ながれ 冬のエネルギーを上昇させているのを知ります その時です 『冬の 妖精・精霊・詩』(2014.12/05)
この度もまた 大地のなかに いくつの存在を見るでしょうか 彼らの存在を 彼ら存在の表情を このなかに 見い出せましょうか どうぞじっくりと ご覧ください ・。*
大地と それに降り積もり氷に変化したものと 地中に育ち 地表を押し上げた氷の柱 そこに見える女王の額に埋め込まれている魂は どんな色 なのでしょうか ・。*
そうか トンネルのあちら側からは 猫がこちらをのぞきうかがっていたのだ わたしのだいすきな河原の道はなくなってしまっていたのだ どうやってもどりましょうか ・。*
こんな ま白な中に こんな乾いた風のなかに ま白でなければ焦点のあわない 乾いた深い赤茶の花束を見て 白くてよかったと 美しい乾燥花に見入る朝の白い息 ・。*
観察すれば 魂 の在り処を 魂の なかみを 魂の形 を それは 書物でもなく 写真アルバムでもなく ただ発光する火花だと わかる だろう ・。*
こういうわたしの日は 小人妖精と歩くことにいたします ときどき目配せ ときどきひらめき ときどき 咳ばらい カフェ いれたての 赤味ある ま黒な珈琲を口から喉へ 私の中身がぜんぶ 珈琲のふわふわにダイブ 小人もダイブ ・*。 Copyright © 2015 Mihoko Yok…
きょうはこの わたしのとっときの箱のなかから 空色に近づいた青銅の色の玉をとりだして 高くかかげて見せましょう なにごとも 根詰める は よくないもの なにごとも 決めすぎ ず ほかのものや すこし横に跳ねてみる 隙間を 持って 。・*
白い十字路にかぞえきれない人生 頬を真っ赤にひからせた坊の横顔と 葉笛をくわえた さすらいの大獅子先生の流し目 猫のこ 子猫 みんな真っ白いのに 坊の頬が赤く 大獅子先生の鬣は金色で 猫のこ子猫の紅潮した鼻先に色を見る 真白は芸術だよ ・*。 Copyrig…
深く 深く沈み込むような どこまでも染み込み浮かびあがりはしないような赤味ある紫に 見開いた目を通り越し内宇宙に到達するロイヤルブルーの重なりを見ていました どうやら どうやら とうとう その時なようです 果たして 掻き分けた先に光は ・*。
秋に私を勇気づけてくれた 赤い実の彼らに 氷が融けて染みていってしまった湿った土で 再会しました 初冬の雪の降る前に 刈られて地面に無残に投げ出されていた彼らを知っていました 大半はいなくなり 幾らかの赤い実の仲間が今ここにいます ・*゜
誰かに どなたとは言いません 誰かに 今世 生まれた私と出会いまたは すれ違い または言葉を交わした誰かに 忘れ去られるのが私の常なる性質であるのであれば どうか 私を立ちのぼる紫色の煙にしてください 夜明けの匂いのする紫の ・*。 Copyright © 2015 …
死へのイマージが 煙り 青紫に 燻る いまだに多くが ブルースの思いへ ほんの短い散歩を経て帰り着く 人間は 我がの死に憧れて生きる表現 多くが青に魅了されるは それ ・*
空気が冷たく凍るように冷え込んだのに 雪は降らないので お砂糖をまぶしたように地表は まばらに見えるような均一加減で霜が残りました 地中にもたくさんの洞窟が姿をあらわし 神殿のような霜柱が地表を押し上げ賑やか 春の女神の手紙です 。*・
どうして 土の世界はこんなに心をふかふかさせるのか 地表だけでなく地中だけでなく 染み入る水に、湿ってほくほくしだす土 渇いて風に押し流され空中に舞う土 せわしない虫の世界には枯れ植物が隠れている これは今朝の心躍る 地中の氷の建築物 。*・ **
人差し指の秘密 もうひとつだけ教えて差し上げましょう 人差し指は正直なのです テーブルで本をめくるまたは 例えばプリントに添えている あなたの手の指先に 男性が自分の指先をゆっくりと何気なく 吸い寄せられるように近づけるならば 心もあなたに **
Lemon色 の月の光りの森からの便りは あなたの内に届きましたでしょうか あなたの内側の世界の真ん中で その真っ白な中に浮かび 微かな飛沫とともに 淡く仄かな月の森の香りを残しながら あなたの真ん中に染み込むのを待ちましょう **
夢です 長閑で影のない 淡く明るい色調の 暖かささえ肌に感じる世界です しかし見たことはないはずですよ ここは そう あそこだ もちろん知っている場所だ と感じるでしょうこの淡い世界のなかにおいてはね 知っている と 想うでしょう目を覚ますまでは あな…
青の夢 見果てぬ **
わたしが居た その場所にすでにもたらされ存在していた言葉だろうか 言葉だろうか歌だろうか詩だろうか Hummingだろうか その場所はすでに 時間とともに過ぎ去っている新たな今 私はその時の “今” と一体となり この過ぎた風景の中に言葉を読む はたしてあの…
暴風雪の夜の 息もできなくなるほどの雪と風と圧とに 国道沿いの歩道にて遭難するのかと目眩 足を取られ目をあげると 何者かの存在に はたと今にかえる タノシモウ コレヲ タノシモウ もう現世で「遭難」はしないと声 暴風雪の夜の存在 **
これよりご紹介いたしますのは 隣り組でうわさの 猫顔の巻貝と 道端で巻貝とはたと出会ってしまい どうにもよけられずにいるショコラ色の毛並みの針ねずみ 白いターバン(いえ巻貝)を頭に載せた二面性の御婦人 喜びにはずむ大型犬と散歩する少女の影 仮面舞…